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数学と仕事シリーズ#13/商品が稼ぐ力を測る

このシリーズでは、中高生の皆さんが勉強している数学の知識が、ビジネスの世界でどのように使われているかを紹介します。

数学って、将来必要なの?
と思っている皆さんにぜひ読んでほしいと思います。


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利益の最大化

今回は前々回の記事、数学と仕事#11「利益を最大化する」の続編です。まずは、そのおさらいから。

下記のデータを使って、利益が最大となる販売数量を求めました。

エクセルの機能を使い、販売数量$${(x)}$$と単価$${(U)}$$、および販売数量$${(x)}$$とコスト$${(C)}$$の関係をそれぞれ$${U(x)=-2.4x+1600}$$、$${C(x)=x^2+20x+80000}$$と求め、さらにこれらを使い、販売数量$${(x)}$$と利益$${(P)}$$の関係式を下記のように定めました。

この二次関数$${P(x)}$$が最大となる$${x}$$の値が求めたい販売個数となるわけです。結果は$${564}$$個と算出されました。

利益が出る範囲

今回は引き続き、このデータの分析を続けたいと思います。まずは利益が出る販売数量$${(x)}$$の範囲を調べます。下のグラフをご覧ください。

利益が出るのは、$${P(x)}$$>0の範囲ですから、グラフと$${x}$$軸との交点を調べれば、その範囲を示すことができます。

$${P(x)=-1.4x^2+1580x-80000=0}$$を解く

因数分解は難しいので、解の公式を使いましょう。

$${x=\frac{-1580{\pm\sqrt{1500^2-4・(-1.4)・(-80000)}}}{2・(-1.4)}}$$

ちなみに綺麗な数字にはならなそうです。(現実とはそんなものです。)
実際に計算をしてみたい方は電卓を使ってください。ここでは、途中計算を省略し、結果だけお伝えすると、近似値で$${x=53, 1075}$$となります。つまり、この商品は販売個数が、$${53<x<1075}$$の範囲で利益が出るということが分かったわけです。

商品が持つ稼ぐ力を分析

では、次にこの商品の稼ぐ力について分析してみましょう。もう一度、先のグラフを見てください。利益が出る範囲、$${P(x)>0}$$の広さに注目です。この範囲(面積)が広ければ広いほど稼ぐ力があると言えるのです。

商品ごとの稼ぐ力を比較したいなら、この面積を調べればいいわけです。ではその方法は?そうです、積分を使えばいいのです。

$${\int_{53}^{1075} (-1.4x^2+1580x-80000) dx}$$

こちらも途中式は省略します。実際の計算には、こちらも電卓が必要ですね。結果は近似値で$${249295574}$$となります。

どうでしょう。数学が現実を把握するための最強ツールであることが実感できたでしょうか。


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