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数学と仕事シリーズ#12/人類の未来はユートピアか、それともディストピアか?

このシリーズでは、中高生の皆さんが勉強している数学の知識が、ビジネスの世界でどのように使われているかを紹介します。

数学って、将来必要なの?
と思っている皆さんにぜひ読んでほしいと思います。


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恐怖の関数

$${y=\dfrac{a}{2040-x}}$$

上記の数式はChatGPTを開発した米オープンAIの元幹部イリア・サツキバー氏が提唱したものです。この関数はどのようなグラフを描くでしょうか。数Ⅲで学習する分数関数ですが、複雑な式ではないので、数学が得意な皆さんなら想像ができるのではないでしょうか。そうです。中学1年生で習う反比例のグラフをx軸方向に平行移動させたものになります。

aは比例定数、xは年数(西暦)、yは国民総生産(GNP)を表します。サツキバー氏はどの国にもこの法則が当てはまるとしています。トロント大学のジェフリー・ヒントン名誉教授はこの数式を「とても恐ろしい関数」と評しました。どういうことでしょう?

GNPの爆発的な成長

まずはグラフを描いてみましょう。

このグラフから人類の歴史と未来を読み解いてみましょう。

人類の歴史にはいくつかの転換点がありました。最初のそれは1万2千年前に起きた農耕社会の広まりです。その後、18世紀に始まった農業革命を経て、20世紀の情報革命へと続きます。こうした社会の大変革を経ても、GNPの成長は緩やかなものでした。

もう一度、グラフを眺めてみてください。もうすぐGNPの爆発的な成長が起こります。2040年にはその値は無限大に達します。サツキバー氏は、その原動力になるのがAIであるとしています。

人類の未来はユートピアか、それともディストピアか?

GNPの成長はどの国にとっても喜ばしいことです。では、なぜこれが恐怖の関数なのでしょうか。ヒントン氏は、AIが成長を遂げ、無限ともいえる生産性を達成する未来では、人間の存在が無価値になると考えたのです。

あなたはAIの活用が進んだ人類の未来がバラ色のユートピアになると思いますか? それとも暗黒のディストピアになると思いますか?

数学は、こんなことを考えるきっかけにもなるのですね。

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