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【大学受験】医学部入試の基本&落とし穴
今回は、大学の中における医学を取り上げてみましょう。
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■大学における医学教育の目的
大学における医学教育の目的は、学生を医師国家試験に合格させることではありません。むしろそれは当然の前提条件で、重要なことは、医師として医学界や医療の発展に寄与できる、国内に留まらず国際的に活躍できる、そのような人材を育成することが目的です。
■医学部では何を学ぶの?
多くの場合、いきなり医学に取り掛かることはなく、まずは一般教養を学ぶことになります。一般教養では自然科学のみならず、人文科学、社会科学系、言語と幅広く取り扱われます。一般教養を経て、次に解剖学などの基礎医学に進みます。基礎医学を経てさらに、内科学や産婦人科学といった臨床医学に進み、4年生では共用試験を受けて臨床実習に臨みます。そして6年生の最後に卒業試験を受け、さらに医師国家試験も受験し、全てに合格してようやく医師としてのスタートラインに立ちます。
このように医学部では、入学してからも共用試験をはじめとしていくつもの関門が待ち受け、それを突破できなければ進級も出来ません。その点では、入学してから卒業するまでの困難さも、他学部より遥かに高いといえるでしょう。
■医学部入試の基本パターン
・国公立:6教科8科目+面接
・私立:3教科4科目+面接・小論文
国公立大学の入試にあっては、面接があること以外は理学部や工学部といった他の理系学部と特に異なる点はありません。
理科に関していうと、大半の大学では大学入学共通テスト(以下、共通テスト)で物理・化学・生物の中から2科目を選択することになります。東京大学、金沢大学、愛媛大学ではそれに加え地学も選択可能で、一方、名古屋市立大学と佐賀大学では、物理と化学が必須となっています。ただし二次試験では、共通テストで選択できた科目を選べないケースもしばしばあるため、それを踏まえた上で共通テスト理科の選択科目を決める必要があるでしょう。
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■面接・志望理由書、「地域枠」って?
医学部入試では、どの選抜方式であったとしても面接が実施されます。さらに、総合型選抜や学校推薦型選抜であれば、志望理由書を書かなければいけません。
また、医学部入試に特徴的な選抜方式として「地域枠」というものが存在します。これは、医師の偏在を解消するための施策の一環です。その枠で合格した場合、対象の自治体が学費の一部または全額を学生に奨学金として貸与し、一方学生は卒業して医師となったあと、一定年数をその自治体内の指定されたところで勤務することを義務づけられます。奨学金は指定の年数勤務し続けると、返還が免除されます。
■志望動機の❝落とし穴❞
さて、面接や志望理由書では大概、なぜ医者になりたいのか、つまり志望動機を熱弁することになるでしょう。しかし、ここに落とし穴があります。
例えば地域枠で出願する場合、地域医療に貢献したい旨を書くことになると思います。もちろんそれも必要な要素のひとつではありますが、それだけでは到底足りません。なぜなら、先に述べたように、大学における医学教育の目的は、医師として医学界や医療の発展に寄与できる、国内に止まらず国際的に活躍できる、そのような人材を育成することが主眼とされているからです。そのため、大学が求める水準からすれば、ただ地域医療に貢献したいというだけでは、志望理由として不十分と捉えられてしまう可能性があります。
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ある大学の地域枠入試に関する説明会では、「多くの学生が地域医療への貢献を志望理由として語るが、それだけでは訴えるものが足りない」と断言していました。地域医療に貢献することは当たり前で、大事なのは、地域医療を底上げし、以て国内・国外にかかわらず医学界をリードできる人材であってほしいということなのです。
先ほどのはほんの一例ですが、地域枠に限らず、大学における医学教育の目的を踏まえれば、何を求められているかは自ずから明らかであると思います。面接で話す内容や志望理由書に記載する内容には、改めての吟味が重要でしょう。
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