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数学こぼれ話#18 実社会シリーズvol.2 ~地図を見るにも三角比~

皆さん、こんにちは。高校数学で現実世界を切り込む「実社会シリーズ」が第2弾を迎えました。前回の記事(#16←読むにはこちらをクリック)では「野球×二次関数」を扱いましたが、今回は「地図×三角比」と題して、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)の仕組みを見てみましょう。


〇GPSと人工衛星

現在地から目的地へ向かう際の必須ツールでもあります(画像:PIXTA)

道に迷ったとき、スマホの「位置情報」をONにして地図を開くと、いま自分がいる場所が地図の上に即座に表示されますね。いわゆる「GPS」ですが、地球の周りを回る人工衛星を使っていることは知っていても、詳しい仕組みまで考えたことはない人が多いと思います。
実はこの仕組み、大雑把には「三角比」「座標」だけで理解できるのです!

〇人工衛星A、Bから分かること

地球の周りには様々な人工衛星が回っています。そのうち、2つの人工衛星(A、Bとします)に注目してみましょう。人工衛星A、Bは一定のペースで電波を発信しており、あなたのスマホは「人工衛星Aからの電波が、この方向から時間$${𝑡1}$$で届いた」「人工衛星Bからの電波が、あの方向から時間$${𝑡2}$$で届いた」という2つの情報をキャッチします。

ここでは、光の速さを$${𝑐}$$としましょう。人工衛星の速さは約8km/秒なのに対し、光の速さは約3×$${\gdef\bar#1{#1^8} \bar{10}}$$km/秒なので、2つの人工衛星A、Bは静止していると見てかまいません。
すると、あなたのスマホは「人工衛星Aを中心とする半径𝒄𝒕𝟏の球面」と「人工衛星Bを中心とする半径𝒄𝒕𝟐の球面」の交わりに表れる円上のどこかにある、ということが分かりますね。<図1>を見てみましょう。

〇人工衛星Cの役割

人工衛星A、Bからの情報を使って、スマホの位置を「この円上にある」というところまで絞り込めました。この「線の情報」を「点の情報」にするには、もうひと工夫する必要があります。そこで、3つ目の人工衛星Cを登場させましょう。

いま、あなたのスマホが「人工衛星Cからの電波が、その方向から時間$${𝑡3}$$で届いた」という3つ目の情報をキャッチしたならば、先ほどの<図1>に、「人工衛星Cを中心とする半径$${𝑐𝑡3}$$の球面」が追加され、この球面は先ほどの円と2点で交わります。スマホは、円と球の交わりのどちらかにある、ということが分かりますね。<図2>を見てみましょう。

〇実際の計算

結局、3つの人工衛星A、B、Cを使うことで、あなたのスマホの居場所を2通りまで絞り込むことができました。このうち、地表面に近い方の点を採用すれば、無事に特定完了です。

なお、実際には次に示すような連立方程式を解くことで、スマホの位置$${(𝑥,𝑦,𝑧)}$$を計算します。(この方法は、「3次元測位」と呼ばれています。)

まさに、「地図を見るにも三角比」というわけですね。

それでは、次の「実社会シリーズ」で再びお会いしましょう!


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