【国語力を高める100冊】 #7「理解」・西林克彦『わかったつもり』/光文社新書
どの科目でもそうですが、「わからない」ことを「わかった」状態に変えることは大事なことです。そのために受験生は一生懸命勉強しています。ずっと分からなかったことが分かった瞬間、そこには純粋に知の喜びがあるでしょう。しかし、その「わかった」という感触が、実は「わからない」ことの原因だと言われたら、どう思うでしょうか。こう言われると、多くの人が戸惑うはずです。「わからない」のは、知識不足や理解不足のせいであって、「わかった」ことが「わからない」の原因だなんて、一体どういうことだ、とい