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Y-SAPIX卒業生による「東大座談会2024」をWEB配信

 8月24日(土)、Y-SAPIX主催のオンラインセミナー「東大座談会2024」が配信されました。この座談会では、東大に現役合格したY-SAPIXの卒業生3人が、中高生時代の勉強法や大学での生活などについて、さまざまなお話を聞かせてくれました。ここではその模様をご紹介します。


高校入学後に東大を志望校に
模試や過去問で弱点を把握

――皆さんが東大を志望した理由を教えてください。

齋藤 中学の頃から東大に憧れていましたが、志望校として意識したのは高校に入ってからです。まだ何を学びたいかがはっきりしていなかったので、入学後にやりたいことを探せるところにも魅力を感じました。

家田 高校の同級生に東大志望者が多かったことから志望するようになりました。初めは弁護士になりたくて、文科一類を目指していました。

 高1の時の面談で、将来は商品開発・企画の仕事に就きたいと話したところ、担任の先生に「東大には文理が融合したような文科二類があるから、そこを目指してみたら?」と勧められたことがきっかけです。どうせなら高い目標を持とうと思い、東大を志望校に決めました。

――実際に東大対策の勉強を始めたのはいつ頃ですか。学校の成績や模試の活用法についてもお聞かせください。

齋藤 高2の12月頃からです。学校のテストや共通テスト模試などでは比較的良い成績が取れていましたが、東大模試は問題が難しく、なかなか点数を上げることができずに苦しみました。答案返却までの間に自己採点を行い、解き直しをして弱点を確認するようにしていました。

家田 本格的に受験勉強を始めたのは高2からです。中1・2の頃は勉強をサボっていたので、その時の成績は下から数えた方が早かったですね。中3になって、部活の同級生と定期テストの点数を競い合ううちに学習習慣が付き、上位の成績を取れるようになりました。模試の結果は、今の自分の立ち位置を確認するとともに、その後の学習計画を立てるのにも役立てました。

 どちらかというと、学校の勉強と目の前のテスト対策を優先していたため、受験対策を始めた明確な時期はありませんでした。高校では1桁台の順位をキープしていたものの、東大模試は良くてB判定。高3の最初の模試でE判定を取ったこともあります。模試の復習にはあまり手が回りませんでしたが、最低限の解き直しと自分の苦手分野の確認は行っていました。

――苦手科目は何でしたか。また、それをどのように乗り越えたのでしょうか。

齋藤 苦手だった科目は地理です。理系なので、地理は大学入学共通テスト(共通テスト)だけでしか受けないこともあって、対策が遅れてしまいました。ぎりぎりになってから過去問を解いても点が取れず、教科書と資料集に戻って学習したら、少し安定した感じです。

家田 数学がずっと苦手でした。小学生の頃から算数が不得意で、中学でも数学に対する苦手意識が抜けませんでした。高3になって東大の過去問の傾向を自分なりに分析し、出題されそうな部分を重点的に勉強して、何とか受験に間に合わせることができました。

 私も数学が苦手で、難しい応用問題の解き直しがおろそかになりがちでした。時間を取って向き合おうと思いつつ、つい後回しにしてしまうという負のループにはまり、納得のいく状態で受験本番を迎えられなかったことを今でも後悔しています。ただ、その中でも過去問の見直しだけはしっかりやろうと心掛け、自分に足りない力が何かを見定めるようにしていました。

――おすすめの勉強法はありますか。

齋藤 黙々と勉強していると眠くなってしまうので、なるべく声を出すようにして、音読もよくやっていました。

家田 自分でやろうと決めた参考書や教科書を最初から最後まで読み込むことを大切にしていました。

 毎朝、その日のタスクをリストに書き出し、一つずつ消していました。この方法は気持ちもすっきりしますし、何をやったかも分かりやすいのでおすすめです。

部活も楽しんで勉強と両立
高2までに基礎を固めよう

――受験勉強で特に大変だった時期はいつでしたか。

齋藤 東大入試(2次試験)の当日です。1日目の数学がうまくいかず、その夜はあまり眠れませんでした。「過ぎてしまったことは仕方がない。次に向けて頑張ろう」と自分に言い聞かせ、気持ちを切り替えました。

家田 共通テストが終わってから2月の入試までの間が大変でした。最終的には立て直すことができましたが、気が緩んでしまって、勉強が手に付かない日もありました。

 共通テストの直前期がつらかったです。「共通テストで9割を超えないと」というプレッシャーが押し寄せてきて……。試験の前にY-SAPIXの先生方が電話で激励してくださり、家族も「大丈夫。安心して受けておいで」と送り出してくれたので、どうにか乗り越えられました。

――部活と勉強はどのように両立させていましたか。

齋藤 高校では軽音学部と生物部を兼部していたので、時間的には大変でしたが、Y–SAPIXの授業や課題をペースメーカーにしながら両立させました。

家田 所属していたクイズ研究部は高2で引退したので、学業に大きな支障が出ることはありませんでした。「ものを覚える」というクイズでの作業を受験勉強に生かすこともできたと思います。

 中高6年間、吹奏楽部でフルートを担当し、毎日のように練習がありました。忙しかったからこそ、限られた時間の中でどのように勉強するかを考えることができましたし、部活は息抜きにもなっていました。

――高校3年間の勉強のプランは、どのように組めばよいでしょうか。

齋藤 高3ではみんなが勉強に取り組み始め、相対的に成績を上げるのが難しくなるので、部活などで忙しくても、高1・2のうちに頑張っておくのがよいと思います。

 そうですね。高3になって基礎が固まっていないと、精神的な焦りにもつながります。私も高2までに塾や学校の授業の復習で基礎を身に付け、高3からは応用問題をどんどん解くようにしていました。

家田 僕の場合、高2でかなり勉強に打ち込んだためか、本来なら気合を入れて勉強すべき高3の夏にやる気が落ちてしまいました。皆さんも“燃え尽き”には注意してください(笑)。

共通テストのみの科目は
授業を軸に進めると効率的

――理科と地理歴史・公民の受験科目は何を選択しましたか。

齋藤 理科は生物と化学、地歴は地理Bです。もともと生き物が好きで、大学に入ってからも生物系に進みたいと考え、生物を選びました。

家田 理科は生物基礎と化学基礎、地歴は日本史Bと世界史Bを取っていました。日本史と世界史の組み合わせだと覚えることは多いのですが、お互いリンクしている部分もあるので、両方勉強することで相乗効果を狙いました。

 私も社会は世界史と日本史です。理科は、高2のカリキュラムに合わせて物理基礎と生物基礎を選択しました。

――理科受験の文系科目、文科受験の理系科目の対策について、アドバイスをお願いします。

齋藤 理系の人は数学と理科で忙しいので、地歴の科目は学校の授業や定期テスト対策をメインに進めると効率的だと思います。とはいえ、それだけでは足りない部分もあったため、直前期には過去問を解いたり、総復習をしたりもしました。

家田 逆に文系だと、高3の貴重な時間を理科にあまり割けませんから、学校の授業内で完結させることを意識していました。

 数学を早い段階で固められれば、文系ではそれが強みになります。理科基礎も、「共通テストでしか受けないから」と放置せず、定期的に復習し直すようにしましょう。

――現在は、大学でどのようなことを学んでいますか。

家田 東大では、1・2年のうちは全員が前期課程の教養学部に所属し、英語や第二外国語はもちろん、社会学や歴史学など、いろいろなことを幅広く勉強します。

齋藤 語学も数学も新しい内容を学べて楽しいのですが、その一方で、進学選択(進振り)に向けて定期試験も頑張らなければなりません。

 経済学部のゼミで「産業組織論」という企業や消費者の行動を分析する学問分野を研究しています。例えば、最近では「政府がカーボンニュートラルの達成に向けて今後どう動いていくか」といった産業政策について、ディスカッションしています。

――最後に、「ここが東大のいいところ!」と思う点を教えてください。

齋藤 さまざまな分野に詳しい人、魅力的で面白い人がたくさんいます。お互いを尊重し合う雰囲気があり、とても過ごしやすいですね。

家田 一番の収穫は図書館でした。高校の図書館とは比べものにならないほど蔵書がそろっていて、自習スペースも豊富です。

 東大には、勉強したいと思えばいくらでも学べる環境があります。1・2年のうちは、文系でも一定数の理系科目を履修する必要があるので、入学した学部にとらわれずに幅広い分野を勉強できるのがうれしいです。

この記事は2024年10月22日(火)刊行『Y-SAPIXジャーナル』11・12月号に掲載された記事のWeb版です。

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