英語こぼれ話#10 英和辞書の使い方A to Z(上級編)
みなさん、こんにちは。
前回の記事である「英語こぼれ話#9 英和辞書の使い方A to Z(初級編)」に引き続き、今回は「上級編」をお送りします。
前回は、品詞の判別によって辞書を引くスピードは速くなる、というお話をしました。
ここからは、「品詞の理解」などの英語の基礎はすでに習得できている人向けに、英和辞書によってさらに英語の力をアップさせるための情報をお伝えします。
皆さんは英和辞書を、ただ英単語の意味を調べるためだけに使ってはいませんか?実は辞書の中には、単語の意味の他にさまざまな情報が記載されています。これらの読み取り方を知り、活用することで、あなたの英語の勉強はここからさらにレベルアップするはずです。
〇辞書を隅々まで見てみよう
まずは前回と同様に、英単語「broach」について書かれた英和辞書のページを引用します。
多くの人が日本語で書かれた単語の意味の項目には目を通すと思いますが、今回はこのページを上から下まで、各項目について細かい点まで見ていきましょう。
項目のメインとなる単語です。この単語を「見出し語」と呼びます。
「1」という数字が小さく書かれていますが、同じつづりで違う意味を持つ単語が複数存在する場合には、このような識別番号が振られます。
また、見出し語の横に/bróʊtʃ/という、何かの暗号のような不思議な文字列がありますね?これは「発音記号」と呼ばれるもので、見出し語の発音を文字で表したものです。
ここでは説明を省きますが、全ての発音記号には国際的に定められた正しい読み方があり、それさえ知っていれば音声を聞かなくても単語の発音がわかるという便利な記号です。興味のある人は調べてみましょう。
ちなみに、上記の発音記号の読みをカタカナで表記すると、『ブロウチ』のようになります。
見出し語のすぐ下に書かれているのは、基本的に語源についての情報です。
「初」とあるのは、現在の英語学研究の結果、歴史上最初に文献に登場したことが確認されている時期を表します。「13c」とあれば「13世紀(century)」の意味です。
その横にはラテン語や古いフランス語など、見出し語の成り立ちがわかるような語源の情報が記載されています。知識が少ないうちは使いこなすのが難しい情報ですが、「語源から単語を覚えたい!」という人にとっては非常に役に立つはずです。
「cf.」は「参照せよ」という意味の略語で、ここではbrooch(アクセサリーの「ブローチ」です!)という項目にも関連する情報があることを示しています。
単語の意味を説明する項目ですが、この中にも様々な情報が詰まっています。
(introduce)とあるのは類義語の紹介です。
〔to, with〕とあるのは、組み合わせて一緒に使われることが多い前置詞などの紹介です。ここでは前に書かれた〔人に〕と対応しており、つまりは『broach ~ to 〔人〕』で「~を〔人〕に対して初めて話題に出す」という意味になる、ということです。
また、電子辞書には[用例]などというリンクが設定されていることが多く、タッチすると数多くの例文を見ることができます。
この情報が役に立つのは、おもに和文英訳や英作文など、英語を「使う」練習をする場面でしょう。
ご存じの通り、look at~やagree with~など、セットで使う前置詞が決まっている単語は数多くあります。単語をいくらたくさん知っていても、このような語法を覚えていなければ英作文などで正しく使うことはできないのです。
語法に関する情報は、辞書を引いた際にメモを取っておくクセをつけることで、本当の意味で「使える」語彙を増やしていきましょう。
〇まとめ
以上のように、辞書には単語の意味だけでなく、他にも様々な情報が記載されています。
語源の情報を見れば単語を覚える上で大きな助けになりますし、一緒に使われる前置詞などを覚えておけば英作文での表現力の幅も広がることでしょう。
100%使いこなすことができれば、英和辞書はあなたの英語力を何倍にもパワーアップさせてくれるものです。ぜひ、今日からすぐに辞書を使い始めましょう!
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