2022年度大学入試の選抜方法
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2022年度大学入試の選抜方法

大学入学共通テスト(以下共通テスト)2年目となる2022年度入試は、昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症対策を伴う入試の2年目でもあります。しかし、共通テストの日程等において一昨年度とも、昨年度とも異なっている点があるため、注意が必要です。

総合型・学校推薦型選抜のスケジュールは2021年度入試からの当初規定の形に

2021年度入試から、総合型選抜(旧AО入試)の出願受付は9月1日以降、合格発表期日は11月1日以降、また学校推薦型選抜(旧推薦入試)の合格発表期日は12月1日以降と、それまで明確ではなかった日程に規定が設けられました。しかしその後、新型コロナウイルス感染症に伴う高等学校の臨時休業期間に配慮し、2021年度入試の総合型選抜の出願受付については9月1日以降から9月15日以降に遅らせる措置が取られることとなりました。2022年度に関してはそのような措置が取られることはなく、当初規定通りのスケジュールで実施されます。

共通テストの追試験は本試験の2週間後に実施

2021年度の共通テストは特例追試験を含めて計3回実施されましたが、6月11日付で大学入試センターから公表された「令和4年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」では、本試験が1月15・16日、追試験は1月29・30日に設定され、本試験を2日程で行った昨年度の方式は取らず、一昨年度までの本試験1回、追試験1回の形に戻ることになりました。概ね大学入試センター試験時代のスケジュールと同様の形ですが、2022年度は、一昨年度までであれば本試験の1週間後に実施していた追試験を2週間後に延ばし、新型コロナウイルス感染症等に関して配慮した形となっています。

また、追試験が本試験の2週間後に設定されたことに伴い、大学入試センターから各大学への個人別成績提供の期日が2月7日と一昨年度よりもやや遅めになりました。これにより、国立大学協会、公立大学協会が「2022年度入学者選抜についての実施要領」で当初2月9日までと設定していた前期日程の第一段階選抜結果発表の期日が、2月15日までに変更されるなどの影響が出ています。

個別学力検査における受験機会の確保のための方策は継続

6月4日付で文部科学省から公表された「令和4年度大学入学者選抜実施要項」では、昨年度同様、個別学力検査に関し、新型コロナウイルス感染症等に罹患した受験生の受験機会を確保するため、

・追試験の設定
・追加の受験料を徴収せずに、別日程への受験の振替

のいずれか一つの方策を講ずるよう各大学に求めており、文科省はその大学ごとの措置を同省のHPで周知するとしています。

一方、昨年度の「令和3年度大学入学者選抜実施要項」では、高校3年でも履修することの多い科目(数学Ⅲ、物理、化学、生物、地学、世界史B、日本史B、地理B、倫理、政治・経済など)の個別学力検査において、受験生が解答する問題を選択できる出題方法とすることや、特定の受験生が不利にならない設問とするなどの工夫を行うことが各大学に求められていましたが、令和4年度に関してはそのような記載は見られません。大学によっては引き続き配慮を行う場合もあるかもしれませんが、昨年度と比べて出題分野や問われ方に変化があることも考えられますので、その点も踏まえた個別学力検査対策も必要となりそうです。

主要国公立大学の入試変更点

共通テストの2年目を迎える2022年度入試に関しては、主要国公立大学個々においては現時点で大きな変更点は見られません。

比較的大きな動きとしては、北海道大学の理系学部での募集区分や募集人員の再編成が挙げられます。前期日程の「総合入試(理系)」は各選抜群の募集人員を減らし、学部別入試と合わせて、理系学部前期日程の募集人員は昨年度比で39名減(入学定員が未確定の医学部医学科を除く)、同じく後期日程は46名減となり、一般選抜全体では85名減となります。一方、昨年度までの「総合型選抜(共通テストを課す)・(共通テストを課さない)」を「フロンティア入試TypeⅠ(共通テストを課す)・TypeⅡ(共通テストを課さない)」として実施。募集人員が54 名から144名となり大幅に増加します。

理・医・歯・工・水産学部においては、昨年度の総合型選抜・一般選抜前期・一般選抜後期の募集区分や募集人員が学科・専攻ごとに変更になっているケースがありますので、北海道大学から公表される要項で詳細を確認してください。

国公立大学医学部医学科でも、特に大きな変更点は見られません。一般選抜の入試科目・配点の変更は横浜市立大学と宮崎大学の2校のみ、2段階選抜方法の変更も名古屋大学と京都大学の2校のみで、例年よりも動きが少ない状況です。なお、名古屋大学の変更により、すべての国公立大学医学部医学科の一般選抜全日程で2段階選抜の実施が予告されることとなりました。横浜市立大学は2次試験(個別学力検査)の理科の配点を上げたこと、それに伴い共通テストの配点に対する2次試験の配点比率がより高くなったことによって2次試験での逆転の可能性が上がります。共通テストで思うように得点できず、2次試験での逆転を狙う志願者が集まりやすい状況になったと言えそうです。

募集枠に関しては、富山大学が後期日程を廃止し、昨年度までの後期の募集人員20名を、前期に10名、新たに実施する総合型選抜に10名振り分ける形になります。また、富山大学が後期日程を廃止したことにより、国公立大学医学部医学科で後期日程を実施する大学は、全50大学中17校となり、後期日程全体の募集人員は400名を割る状況となります。なお、富山大学の近隣で後期日程を実施している医学部医学科としては福井大学、岐阜大学が挙げられ、特にその2大学では2022年度の後期日程の志願者動向に影響が出ることも考えられます。

このほか、医学部医学科では入学定員、募集人員の減員が散見され、一般選抜の募集人員の一部を総合型選抜に移行するケースも見られます。例年、次年度入試の医学部医学科の入学定員、募集人員については、地域枠等も含め、認可申請中等の理由で、選抜要項公表時点では確定していない場合があります。変更等がある場合には各大学のHP等で公表されますので、今後も注視する必要があります。

まとめ

2022年度は共通テストの2年目になりますが、過去、共通一次試験、大学入試センター試験の実施2年目は、初年度よりも全体的に問題が難化する傾向がありました。2021年度の共通テストは事前の予想よりも概ね平均点が高い結果となりましたが、2年目も同様とは限りません。また個別学力検査についても、文部科学省から新型コロナウイルス感染症の影響に伴う学業の遅れへの配慮が明確には求められていないことなどにより、昨年度よりも難化する可能性もあります。受験生は2021年度の共通テスト、個別学力検査の問題を目安にして入試対策をすることになると思いますが、特に難易度に関しては柔軟にイメージし、難化することも想定したうえで準備するとよいでしょう。

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この記事は2021年8月20日に刊行された『Y-SAPIX JOURNAL』2021年9・10月号に掲載された記事のWeb版です。
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