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早稲田大学 2020年度入試分析

難関大入試を突破するには、相応の学力とともに、入試情報を把握しておくことが重要になります。ここでは早稲田大学入試の概要、2021年度入試について見ていきましょう。

早稲田大学概要

早稲田大学は1882年「東京専門学校」として現在の地に大隈重信によって創設され、1902年、大学への昇格を機に現在の「早稲田大学」という名称になりました。その教旨として「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」の3つが掲げられています。

2012年11月には、創立150周年を迎える2032年に早稲田大学のあるべき姿(ビジョン)を思い描き、その実現に向けて13の核心戦略とそれを実現するための具体的なプロジェクトおよび数値目標を提示した「Waseda Vision 150」を策定し、「世界で輝くWASEDA」の実現を目指しています。

「Waseda Vision 150」の13の核心戦略の中の「入試制度の抜本改革」では、学部ごとに積極的な入試改革に取り組んでいく姿勢を明確にしています。また数値目標の1つ、「50人以下の授業を85%、20人以下の授業を50%」は2018年度の段階で既に達成されており、学部学生数が約4万人という大規模校でありながら、近年では少人数クラスによる教育が推進されています。

2020年度一般入試・センター試験利用入試の状況

一般入試の志願者数は、入学定員厳格化の影響等で主要私立大学が合格者を大幅に減らしたことから近年の難化傾向が著しく、それを避ける安全志向も働き、2020年度は2年連続の減少(-4.5%)となりました。

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その中で文化構想学部と文学部の英語4技能テスト利用型は入試の認知度が上がるとともに年々志願者が増加しており、導入初年度の2017年度には合わせて911人でしたが、今年度は3,189人と、3年間で約3.5倍に急増しています。

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一般入試の合格者数は5年ぶりに増加しましたが、正規合格者数は8年連続で減少しています。一方補欠者発表数は2019年度まで5年連続で増加し、2020年度はやや減少したものの2019年度に次いで過去2番目に多い数となっています。その合格者数は年度によって大きく異なり、2020年度は発表数に対し30%を超える合格者を出していますが、2017年度はわずか3.2%しか出していません。

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センター試験利用入試では、全体で-13.9%と志願者を減らしている中、昨年度実質倍率が比較的低かった文学部の「センター+一般方式」や人間科学部の「センターのみ方式」では志願者を増やしています。

センター試験利用入試では補欠者は出していません。実質倍率は2018年度から3年連続で5.2倍、2020年度は実質倍率が10倍以上となる募集単位がないなど、比較的安定した状況となっています。

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総合型、学校推薦型選抜の選抜制度

「Waseda Vision 150」に「日本および世界の各地域から、バランスよく多様で優秀な学生が入学し勉学に励む場の実現を目指す」とある通り、2021年度入試においても学部ごとに多彩な入試制度が設置されています。

[政治経済学部]
英語学位プログラム入試、指定校推薦入試
[法学部]
新思考入試(地域連携型)、指定校推薦入試
[教育学部]
指定校推薦入試
[商学部]
 新思考入試(地域連携型)、指定校推薦入試
[社会科学部]
 全国自己推薦入試、TAISI AO入試、グローバル入試(日本語学位プログラム、英語学位プログラム)
[国際教養学部]
 AO入試、指定校推薦入試
[文化構想学部]
新思考入試(地域連携型)、指定校推薦入試、国際日本文化論プログラム(JCulP)日本学生入試
[文学部]
新思考入試(地域連携型)、指定校推薦入試
[基幹理工学部]
英語学位プログラム特別入試、指定校推薦入試、新思考入試(北九州地域連携型推薦入試)
[創造理工学部]
 早稲田建築AO入試(創成入試)、英語学位プログラム特別入試、指定校推薦入試
[先進理工学部]
 特別選抜入試、英語学位プログラム特別入試、指定校推薦入試
[人間科学部]
 新思考入試(地域連携型)、公募制学校推薦入試(FACT選抜)、指定校推薦入試
[スポーツ科学部]
 新思考入試(地域連携型)、総合型選抜(Ⅰ~Ⅲ群)

指定校推薦入試については2020年度まではセンター試験を課していませんでしたが、2021年度は国際教養学部を除く10学部で共通テストの英、国、数Ⅰ・Aの受験が必須となります。

2021年度一般選抜について

2021年度入試における一般選抜の選抜方法の主な変更点は以下の3通りに分かれた形となりました。

より共通テストを重視、必須とする学部
政治経済、国際教養、スポーツ科学部

共通テストのみの利用方式は実施せず、学部独自試験を課す学部
商、文化構想、文学部
※文科構想・文学部は共通テスト併用方式あり

2020年度までと大きな変更のない学部
法、教育、社会科、3理工、人間科学部

各学部の選抜方法の主な変更点は以下の通りです。

[政治経済学部]

学部独自試験のみの入試制度を廃止。選抜方法は以下の2通り。

・共通テストを利用した一般選抜
・これまでのセンター試験利用入試に準じた共通テストのみ方式の共通テスト利用入試

一般選抜の試験科目は以下の通り。

共通テスト……外、国、数Ⅰ・Aおよび [数Ⅱ・B、歴公、理] から 1科目
学部独自試験……総合問題:日英両言語による長文を読み解いたうえで解答する形式とし、記述式解答を含む

また、以下のように募集人員が3分の2に減少。

一般選抜(450人 → 300人)
共通テスト利用入試(75人 → 50人)

[商学部]

センター試験利用入試(センターのみ方式)を実施していたが、共通テスト利用入試は実施しない。

2021年度は以下の3つの方式に変更。各方式の併願は不可。

一般(地歴・公民型)
英、国、歴公
募集人員:355人
一般(数学型)
英、国、数
募集人員:150人
一般(英語4技能テスト利用型)
英、国および[数・歴公]から1科目
英語4技能テストのスコア
募集人員:30人
※英検®準1級以上、TOEFL iBT 72以上が出願要件
※外国語以外の科目に基準点

なお、英語4技能テスト利用型のスコアの配点は205点満点中5点と比率は高くない。ただし、出願要件は既に実施されている文化構想、文学部よりも高めに設定。

[国際教養学部]

センター試験利用入試(センターのみ方式)を実施していたが、共通テストのみの利用入試は実施しない。

また、一般選抜は学部独自試験のみの入試方式から、以下の要素の合計点により選抜する⽅式へ変更。

共通テスト……国および[数・地歴・理]から1科目
学部独自試験……英、英語4技能テストスコア
※英語4技能テストスコア提出がなくても出願できるが、スコアによって200点満点中20~0点に得点を換算し、加点される。

[文化構想学部]

センター試験利用入試(センターのみ方式)を実施していたが、共通テストのみの利用入試は実施しない。

[文学部]

センター試験利用入試(センターのみ方式)を実施していたが、共通テストのみの利用入試は実施しない。

[スポーツ科学部]

センター試験利用入試(センターのみ方式)を実施していたが、共通テストのみの利用入試は実施しない。

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