2023年度 東京大学・国語
総評
分量・難易度ともに昨年同程度。安直なテクニックに頼らない、正攻法の読解・論述が求められます。これから東大受験に挑む方は、まずは本文内容を正確に理解できるようにしましょう。過去問演習にあたっては、長期的な計画を立て、一回あたりに十分な時間をかけて取り組むようにしましょう。
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第一問 現代文
文理共通問題(評論)𠮷田憲司「仮面と身体」
仮面が自分の目では捉えることのできない「異界」および「自分自身」を可視化して捉える装置であることを述べた文章。読解にあたっては本文の論理の展開を丁寧に追っていく必要があります。構成を意識しながら読み、書くべきことをはっきりさせた上で、傍線部の表現に留意しつつ的確に内容説明をする力が求められます。高得点を取るためには、解答欄の大きさに合わせて簡潔に説明する練習や、本文の論旨を踏まえた100~120字の要約練習を習慣的に行うことが有効です。
第二問 古文
『沙石集』
耳を売った僧が、何事もうまくいかなくなり、心根まで下劣になってしまったという文章。解答をまとめる上で、基礎的な語句・文法知識の運用力、および出題意図の正確な把握がカギとなります。まずは本文内容を正確に理解できるようにしましょう。解答欄の大きさには限りがあります。与えられたスペースでいかに必要な要素を盛り込めるかを意識して演習に取り組んでください。
第三問 漢文
『貞観政要』
唐の太宗が、先見の明があると評価されていた何曽について、主君を諫めず国の危機を救わなかったと批判した文章。解答するにあたって、漢字の正確な理解が必要です。近年の本文は論旨を把握しやすいものが多いですが、漢文の言葉や句法に関する正確な知識がなければ、論述の要所を誤読しかねず、また限られた解答欄で文意が正しく伝わるように訳して説明することは難しいでしょう。
第四問 現代文
文科のみ(随想)『詩人であること』
他者との差異を活かすための言葉が必要であることを述べた文章。比喩的な言い回しに注意しながら文章の展開を追う読解力と、出題意図を読み取って的確な言葉で解答をまとめ上げる論述力が求められます。
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