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2023年度 京都大学・日本史

京都大学は例年、記述式の問題が70点、論述問題が30点の配点で出題されます。

論述問題は2題で今年は「院政期から鎌倉時代にかけての宗教・文化の受容層の広がり」、「日独伊三国防共協定が三国同盟に至った経緯・背景」について問われました。

今回は論述問題についてみていきたいと思います。


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時代の特色をとらえる
―院政期から鎌倉時代にかけての宗教・文化の受容層の広がり―

上でも述べた通り、1問目は「院政期から鎌倉時代にかけての宗教・文化の受容層の広がり」について出題されました。

「受容層の広がり」と問われると、何を書けばよいのか戸惑ってしまうかもしれません。でも、そこは冷静になって、まずは各時期でどういった事実があったのか整理してみましょう。その中から当該期の特色を押さえればよいのです。当該期の文化・宗教について整理すると以下の通りになります。

院政期・鎌倉期どちらを取ってみても、宗教・文化が庶民や武士にまで広がっていることがわかりますね。

「受容層の広がり」=「庶民や武士にも宗教や文化が広がっている」と言うことができます。

単に事実を闇雲に並べるのではなく、この時期特有の動きをとらえていくと、どのように受容層が広がったのか見えてくるのです。その際、具体的な事実を交えながら説得力のある答案にするとよいでしょう。

出来事の背景事情を知る
―日独伊三国防共協定が三国同盟に至った経緯・背景―

2問目はアメリカを仮想敵国とする日独伊三国同盟締結に至った経緯・背景について問われました。何を軸に置くのかで書き方は様々あると思いますが、今回は日米関係の悪化を軸にして考えてみたいと思います。
 
1930年代になると、日本の中国などにおける軍事行動に対し、アメリカが経済制裁を行い、日米の関係は悪化していきました。このため、第二次世界大戦開戦後、ヨーロッパで優勢となっていたドイツとの提携を強化しようという主張が日本の中で強まっていき、アメリカを仮想敵国とする日独伊三国同盟締結に至りました。

経緯・背景を説明するよう求められているので、アメリカによる日本への経済制裁やドイツの動きについては丁寧に説明する必要があります。「日米通商航海条約の破棄」など具体例を交えるとよいでしょう。
 
また、防共協定と三国同盟の違いについても留意するよう条件が付けられているので、簡単で良いので触れたほうがよいでしょう。本問の場合、防共協定がソ連に対抗することを念頭に置いたもの、三国同盟がアメリカを仮想敵国としたものであることに言及すれば、その違いをわかりやすく示すことができます。

京大日本史を解くために

以上のように、京大日本史を解くためには、他の国立大学同様に事件・出来事の背景や結果・影響などに注目する必要があります。
2問目は出来事の背景事情に注目して学習できているかが問われました。
また、各時代の特色を理解するということを意識して学習すると、1問目のような問題にも対応できるようになるでしょう。


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