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2023年度 京都大学・数学

〇理系

近年と同様、ほとんどの問題に目新しさはなく、多くの受験生が類題を経験しているはずです。今年度は特に解きやすい問題が多く、昨年度よりも易化しました。なお、小問2つからなる第1問が一昨年ぶりに出題されました。1~4を確実に確保すれば、医学部以外は十分でしょう。5、6の出来次第で、大きなアドバンテージを得ることも可能です。

第1問

独立した小問2つです。問1は部分積分の問題で、完答必須です。問2は多項式の除法の問題です。ある程度計算を進めれば、仕組みが分かるはずです。なお、割る多項式がより単純な多項式の一部であると気付けば容易です。

第2問

空間内にある2つの線分の長さの比を求める問題です。典型問題なので完答必須です。与えられたベクトルOA、OB、OCを基底と考えがちですが、ベクトルOP、OQを使うと計算量を大幅に減らせます。

第3問

さいころの目の積についての問題です。(1)では5で割り切れる確率を、(2)では15で割り切れる確率を求めます。1992年前期の理系4に、同じ趣旨の出題があります。事象の独立を考えることができる傑作であり、解いたことがある受験生も多いでしょう。なお、本問は事象の独立とは無関係な典型問題です。

第4問

関数の最大値と最小値を求める問題です。一見複雑ですが、カタマリごと置き換えれば容易です。

第5問

3つの条件を満たす線分が通過してできる立体の体積を求める問題です。東大で、2016年と2022年に類題が出題されています。立体が回転体になることを見抜き、一方の点を$${y}$$軸上に制限すれば、線分の動きを掴みやすいです。類題の経験があれば有利でしょう。

第6問

cosの値が、3以上の素数分の1ならば、その角度は円周率πの有理数倍なのかを調べる問題です。3倍角、4倍角の公式を導出させる(1)がヒントです。cosの$${n}$$倍角に関するチェビシェフ多項式が背景にあります。1996年後期の理系1でも出題されています。(文系1にも関連する問題があります。)東大でも、1991年理科4に出題されています。いずれかの経験が無いと厳しいでしょう。


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〇文系

近年と同様、ほとんどの問題に目新しさはなく、多くの受験生が類題を経験しているはずです。今年度は特に解きやすい問題が多く、昨年度よりも易化しました。なお、小問2つからなる第1問が一昨年ぶりに出題されました。1問1、3(2)以外は標準問題ばかりなので高得点も可能で、差が付きやすい試験でした。

第1問

独立した小問2つです。問1は、理系3(1)と同様で、確率の典型問題です。問2は、分母の有理化をします。3乗根を含むので、3次の因数分解の公式を使えば容易に解決します。

第2問

理系の2と共通です。

第3問

半径1の円に内接する正五角形の1辺を調べる問題です。cosの2倍角、3倍角の公式を導出させる(1)がヒントです。1辺の長さがsin36°は2倍ですが、(1)から求まるcos36°の値により解決できます。

第4問

漸化式から一般項を求める問題です。漸化式が和を含みますが、隣接2項の差を考えれば解決できます。京大受験生ならば、身に付いている手法でしょう。その後の計算は上手く運ぶ必要がありますが、完答したい問題です。

第5問

定積分を含む関係式を満たす多項式を求める問題です。一見複雑な式を整理すれば、求める多項式は2次式と分かります。典型的な解法ですが、計算量は多いです。

第1問の問1、第3問(2)を除けば、標準的で類題経験がある問題ばかりなので、できる人は高得点も可能で、差が付きやすい試験でした。

〇京大数学に向けて

京大数学の特徴として、小問による誘導があまり付かないことが挙げられます。今年度も理系は6問中2問、5問中1問に小問がありますが、他にはありません。「一から自らの力で、問題を解く力」が求められている証でしょう。また、問題が平易に感じるときも油断してはいけません。採点基準が厳しく、答えが合っていたとしても、大きく減点されることがあります。自らの議論に曖昧な箇所がないか、厳しくチェックする習慣を付けましょう。


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