大学受験直前!大学入学共通テストの学習アドバイス【理科編】
前回に引き続き、Y-SAPIXの講師から受験生へ大学入学共通テストの学習アドバイスをお届けします。今回は、理科編です。
物 理
公式暗記ではなく原理まで、さかのぼって理解する
共通テストでは、定性的な考え方を求める問いや理由を選ばせる問いが増えました。公式を当てはめるだけでは解くことができず、物理の土台を理解しておくことが必須です。基本は教科書の記述です。結果の公式や解法だけでなく、公式を導く過程や解法の根拠の説明も、確実に理解しておきましょう。
必要な情報だけを正確・精密に読み取る
問題文を数文字読み違えるだけで答えが変わることがあります。ベクトル量の符号、干渉の強め合い弱め合いなどです。また選択肢の違いを丁寧に見ると、問いの焦点が明確になる場合もあります。一方で、日常生活や実験考察などの場面設定のための文章を読むのに時間を取られないことも重要です。
丁寧に計算してしっかり見直す
文字式の計算に加え、共通テストでは数値計算の結果をマークさせる問いも出題されるようになりました。時間を節約しようと雑な計算をすると、かえって失点のリスクが高まります。計算は省略せず、丁寧に。次元の確認や、結果を元の式に代入して成立することの確認など、見直しの手段も身につけておきましょう。
化 学
2次試験の点数と共に上昇させる意識で学習
共通テストの内容と難易度が、ますます2次試験と似てきました。数値を求める問題も選択式ではありますが、通常の記述式と同じと捉えましょう。問題によって難易度の幅がより大きくなっているので、高得点が必要な場合は、2次試験の学習と一続きと捉え、同時に学習、同時に点数アップを目指しましょう。
選択問題は精密な知識で迎え撃とう
正誤問題が多く出題され、そのわずか1問を得点するために、非常に多くの正確な知識が必要です。センター試験も含めて解き、問われる内容を把握しましょう。知識問題は、ある知識のまとまりから部分的に出題されています。例えば、水に易溶な硫酸塩が問われていれば、同時に難溶な硫酸塩も覚えるようにしてください。
一つの問題にこだわらず素早くテンポ良く解こう
平均で1問に2分程度しか解答時間がありません。計算に4分近くかかる問題もあり、高得点には見直しも必要なので、意識的に素早く解く必要があります。計算問題は数値を概算し、素早く選択する練習をしましょう。共通テストになり、グラフを用いた問題が増えているので、グラフを素早く理解し、活用する練習も必要です。
生 物
難化に備えて準備をしましょう
選択生物は、それまでのセンター試験と比べ、大幅に易化しました。よって、難化が予想されます。生物基礎は、やや難化しましたが、それは考察問題が多かったためなので、思考力重視の傾向からすると、易化は期待できないでしょう。問題文や選択肢を増やすだけでも難化しますので、まずは読解力を鍛えましょう。
知識と考察力のバランス
特に選択生物では、読解に知識が必要となる、根本的な難化が考えられます。普段の演習では、消去法など選択肢に頼らず、全ての選択肢の正誤について理由を説明するように心掛け、不安な知識はすぐ確認し、問題を解く際に、常に知識を使う癖をつけましょう。センター試験の過去問は良問ぞろいなので、ぜひ活用してください。
バランスの取れた勉強を
生物は得意だからと、他科目ばかり勉強していたり、生物ばかり勉強して他科目がおろそかになっていたりしていないでしょうか。生物のなかでも、単語ばかり暗記していても考察問題は解けるようになりません。むしろ、苦手な部分に時間を割きつつ、満遍なく学習するように、残り時間を計画的に有効利用してください。
最後は、地歴公民編をお送りします。
■Y-SAPIXよりお知らせ
この記事は2021年10月20日に刊行された『Y-SAPIX JOURNAL』2021年11・12月号に掲載された記事のWeb版です。
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