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2023年度 大阪大学(理系)・数学

〇概評

数学は一昨年から易化傾向が続いていましたが、今年は完答しやすい問題が少なく、難化しました。計算量も増加し、高い計算力が問われる阪大数学の特徴がはっきりと現れています。

例年は微積分が2~3題ほど出題されていますが、今年は1題のみでした。さらに、昨年は幾何的な出題が「複素数平面」の1題のみであったのに対し、今年は「ベクトル」と「図形の方程式」の融合問題が2題出題される、図形色の強いセットでした。なお、場合の数・確率からの出題は3年ぶりです。

第1問

「メルカトル級数」と呼ばれる無限級数についての極限の問題です。
メルカトル級数についての問題は2005年にも出題されているので、過去問研究を深く行えていれば取り組みやすかったと思われます。

(1)の不等式証明は、等比数列の和の計算と$${x^n}$$の扱いなど細部の処理でやや戸惑いがあるかもしれませんが、このレベルの処理は大阪大では頻出です。

(1)の結果から(2)を導くことになりますが、微積分の問題演習を十分にできていれば、単に積分をすればよい、という発想をすぐ得られるでしょう。


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第2問

ベクトルで表された不等式領域についての問題です。

(1)は単なる内積の計算なので、完答必須です。
(2)の左側の不等式が表す領域は円ということがすぐ分かりますが、右側の不等式が見慣れない形なので戸惑った受験生が多いと思われます。
ベクトル2OA+OBを$${u}$$、ベクトルOA+2OBを$${v}$$と置けば(1)の誘導に上手く乗れますが、これに気付くことは簡単ではありません。

様々な解法を考えられるので、思い切って(2)を単独で解いてしまってもよいでしょう。もちろん、第2問に時間をかけすぎないよう、時間配分には十分注意してください。

第3問

定点を通る接線の個数についての問題です。グラフを使って考えるところまでは頻出なので、ミスなく進めたいところです。

しかし、途中の場合分けがやや複雑です。設定こそ異なるものの、昨年の第3問では「線分の通過領域」の問題が出題され、ここでも同様な場合分けが問われました。

複雑な場合分けを1つ1つ確実に処理する力が求められていると言えそうです。

第4問

空間ベクトルと点の軌跡についての問題です。

(1)は垂直条件、直線上にある条件など、問題文の条件を整理していけば難しくありません。

(2)は(1)の結果を使って座標計算をすることになりますが、計算量がかなり多いです。軌跡が問われているので、最終的には3種類の二次曲線「楕円」「放物線」「双曲線」を場合分けの形で答えることになります。直円錐の切断面に二次曲線が現れることをしっかり押さえられている受験生にとっては、最終的な結果を途中で予想できたのではないでしょうか。

なお、図形の分類という観点では、昨年も複素数平面の問題で「直線」と「円」の場合分けが必要な問題が出題されています。

第5問

確率漸化式の問題で、さいころが出た目によって定められる整数が7の倍数となる確率がテーマです。

2013年の一橋大(前期)で類題が出題されており、こちらはY-SAPIXの入試直前テキストで扱っています。このタイプの問題に触れたことがある受験生にとっては有利な出題でした。

このように、数学では他の大学で出題された問題と似たものが出題されることが時々あります。1つの大学にこだわらず、様々な大学で出題されている重要な問題に数多く触れていくことが、合格への近道になるでしょう。


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