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高校1年生の君におくる、大学受験に向けた戦略的学習法

4月から高校生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。入学からしばらく経ち、高校の空気にも慣れてきたころでしょうか。

ところで、皆さんは大学受験についてどの程度意識していますか?

「3年後だからまだいいや」「3年生になってから考えれば間に合うだろう」「当面は部活が忙しいし」など、後からでも間に合うと考えている方も多いのではありませんか?

残念ながら、今の大学受験は高校3年生になってから準備を始めると非常に大変です。

高校1年生になった今のうちから必要な情報を仕入れておくことで、後になってから慌てることなく大学受験に挑むことができます。

今回は高校1年生の皆さんへ、3年後の大学受験に向けて今のうちから意識しておくと良いことをお伝えします。

大学受験のライバルを知る!

皆さんが競い合うことになる大学受験のライバルたちについて知っておきましょう。

高校受験とは人数、地理、時間の3つのスケールが異なってきます。

まず、人数のスケール感について。

高校受験の場合、大部分の方は自宅に近い高校や近隣の都道府県の高校を受験して入学されていると思います。

文部科学省から発表されている「令和2年度学校基本調査」によると、都道府県ごとに大体数千から数万人が高校に入学しています。

例えば、令和3年度の東京都立高校の最終応募人数は3万9,785人です。都道府県や私立と公立での違いはありますが、そのぐらいのスケールだと思ってください。

では、大学受験の場合はどうでしょうか。

令和3年度の大学入学共通テストの出願人数は53万5,245人です。

桁が一つ変わりましたね。皆さんの経験した高校受験の10倍程度の人数をイメージしてください

それだけスケールの大きな話になってくるのです。


次に地理的なスケールのお話です。

高校と違い、大学に対しては全国から志望者が集まってきます。

同級生や、近隣の高校の同学年の人だけではありません。北は北海道から南は沖縄まで、日本中から集まった受験生と競い合うことになります。

同じ日本国内とはいえ、言葉や習慣も違う、イメージしたこともないライバルが存在しているのです。

高校受験が県大会なら、大学受験は全国大会なのです。

もちろん、大学に入学した後は異なる地域から来た学生と交流することになるため、そこがとても面白い点でもあります。


続いて受験勉強に割くことができる時間のスケールについて。

大学受験に際し、高校受験を経験した高校生(以下、高受生)のライバルとなるのが浪人生と中高一貫校生です。

高受生と異なる点はより長く大学受験に向けて準備時間を使うことができるという点です

浪人生は、1年間余分に勉強ができているため知識や経験の面で有利です。

特に、高受生では3年の冬まで完成が遅れがちな理科や地歴について差が出やすくなります。

中高一貫校生は、高受生の方が高校入試に向けて奮闘していた時間を大学受験のために使うことができます。

単純に言えば大学受験に向けての準備時間は高受生が3年なのに対し、中高一貫校生は6年あることになるのです。

この2倍の準備時間の差が特に現れやすいのが数学です。

中高一貫校のカリキュラムは、中学数学と数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bを高校1年生の半ばで終えるようなものが多いです。

高受生が高校2年生で数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bの履修を終えると仮定すると、演習に費やせる時間の差は2倍以上になってくるでしょう。

さあ、大学受験を競い合うライバルのイメージがついてきたでしょうか。

では、次に求められる知識について知っていきましょう。

大学受験に必要な知識は高校の学習で十分学べる!

東京大学では「高等学校段階までの学習で身につけてほしいこと」という文章を公開しています。

これは「本学を受験しようと考えている皆さんに向けて,高等学校段階までの学習において,特に留意してほしいことを教科別に」掲載しています。

この中で

>高等学校学習指導要領の範囲を超えた数学の知識や技術が要求されることはありません
>高等学校学習指導要領の範囲を逸脱することはありません
>高等学校学習指導要領の範囲内で

とある通り、東京大学を受験するとしても、あくまで高校で学ぶことの範囲内で大学入試の問題は出題されるということが分かります。

だからこそ、まず高校の学習の中で知識や技術を身に付けることが大切なのです。

では、高校ではどの程度のことを身に付けていかなければならないのでしょうか。

ゴールをイメージするために教科別にその範囲と対策を見ていきましょう。

国語:古典は基礎知識の早期完成、現代文は書籍を読んで読解と記述の力を伸ばそう!


まず古典の授業が本格的に始まります。

なまじ現代文に似ているところもあるので誤解しがちですが、新しい単語、文法が数多くあるので、古文と漢文という新しい外国語を2つ学ぶという気持ちで挑んでいきましょう。

単語は300~600語。文法、さらには古典を読むうえで必要な時代ごとの常識も覚えていかなければなりません。

対策として早いうちに単語や文法を完成させてしまいましょう。

高受生の皆さんは、高校受験で基礎的な読解力を鍛えられているはずです。

そのため、読解を支える基礎知識を盤石にしておくことで、後々慌てずに済むことになります。

現代文についてはどうでしょうか。

皆さんの中で、中学校の頃は国語が得意だったという人はいませんか?

「国語の勉強なんて別にしなくても点数が取れるだろう」なんて思っていませんか?

そんな人は特に油断しないでください。

実は中学校の国語では、筆者が読者にレベルを合わせて書いてくれている平易な言葉や内容の文章を扱っていたのです。

一方高校の国語では、筆者が読者のレベルに合わせることはせず、難解な語彙、表現、内容のままの文章が出てきます。

つまり、読者が筆者のレベルに合わせていかなければならないのです。

挫けずしっかりと対応していきましょう。

これらはある程度難しい内容の本をよむ経験を増やしていくことで対応できます。例えば好きな分野、得意な分野については積極的に難しめの本に挑戦していきましょう。

また、本を読むときには以下の3点に注意してみてください。

1. 著者が扱っている言葉を理解し、記憶すること
2. 著者のメッセージを自分の頭で考え、まとめてみること
3. そのメッセージを他者に分かるようかみ砕いて説明すること

これらを行うことにより語彙力、思考力、表現力を養成することができます。

宣伝にはなりますが、Y-SAPIXのリベラル読解論述研究はこれらを効果的に行えるので特にお勧めです。

数学:答えを導くだけではなく、なぜその答えになるかを説明できるように!

中学校では3年間で21単元を学びましたが、高校では数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bで30単元数Ⅲを含めると38単元学ぶ必要が出てきます。

さらに知識を単純に「知っている」だけではなく、「理解した」上で「説明」できなければいけません。

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これは大学入試を模したY-SAPIXの模試の解答用紙ですが、実際の試験で使う解答用紙はほぼ白紙であることが分かると思います。

これは何を意図して解答させるのでしょうか。

それは、単純に答えを導き出すことを求めているのではなく、その答えに至るプロセスを理解していることを示すように求めているのです。

先ほども挙げた東京大学の「高等学校段階までの学習で身につけてほしいこと」の中でも次のように書かれています。

入学試験においても,自分の考えた道筋を他者が明確に理解できるように「数学的に表現する力」が重要視されます。普段の学習では、解答を導くだけでなく,解答に至る道筋を論理的かつ簡潔に表現する訓練を十分に積んでください。

「他者が明確に理解できるように」「普段の学習では」「解答に至る道筋を論理的かつ簡潔に表現する訓練を十分に積んで」ほしいということです。

このことを意識しながら学んでいきましょう。

高1の段階で「文系だから数学を止める」のは待って!

ところで、文系志望の方で「私立文系を受験するから数学は捨ててしまおう」と考えている方はいませんか?

その選択はちょっと待ってください。それはあなたの将来の選択肢を狭めてしまいます。

私立文系の難関大学はいまだに高い志願倍率で推移しています。先々になって「やっぱり国公立も受験しよう」と考えることもあるでしょう。

にもかかわらず「高校1年生の時に数学を捨ててしまったので国公立大学を選択肢に加えられない」ということは悲劇です。

ですので、高校1年生の間は文系の方でも数学にしっかり取り組んでいくべきです。

慎重にいきましょう。

数学は早期完成を目指そう!

さて、数学に真剣に取り組むと決めた皆さんはどのように取り組んでいくべきでしょうか。

まず高校での単元の早期学習が鍵になってきます。早めに学習を終えることで、大学受験用に演習を積み重ねることができます。

また、添削指導をしてもらうことで答案の記述力を上げていきましょう。

先に述べた通り、知識だけではなく、解答に至るプロセスも他者が読んで分かるように書いていく必要があります。

ですので、自分で丸付けを行うだけではなく、解答のプロセスもしっかり見てもらえるように外部の目を取り入れながら学んでいくことが肝要です。

英語:4技能をバランスよく、せっかくなら生涯使えるように!

高校の英語にはどの程度の知識が必要になるのでしょうか。英単語数で見てみましょう。

一般的に高校受験に必要な英単語数は約2,200~2,500語と言われています。

それと比べて大学入学共通テストに必要な英単語数は約4,000~5,000語です。

さらに難関大学の受験を目指す場合には約7,000~8,000語を覚えることが必要になってくるのです。

入試においても英語の比率は文理に関係なく配点が大きいため、捨てることの出来ない科目になっています。

また、今後は読む(リーディング)、書く(ライティング)、聞く(リスニング)、話す(スピーキング)といった4技能を習得していくことが求められてきます。

大学入試だけではなく、入学後にも英語は使っていくことになりますので、しっかり学んでいきましょう。


さて、英語はどのように取り組んでいけばよいでしょうか。

高受生の皆さんは既に土台となる英単語や英文法に関してしっかりとした知識を持っているはずです。

高校英語では中学国語で読んでいた論説文が英語で書かれたような難易度の文章になってきます。

その文章に対応していくために、まずは英単語や英文法といった基礎を固めていきましょう。

また、リスニング対策として英語に聞き慣れていくことが必要です。

英語のリスニング教材やニュースなどをうまく使い、耳を鍛えていきましょう。

理科:早めに進路を決めたうえで科目選択をし、時間を確保しよう!

※主に理系の方に向けての内容です

理科は高校から物理、化学、生物、地学へ分かれます。

高校1年時には理科基礎として多くの人は物理、化学、生物を履修することになります。

更に理系の場合には高校2年時に2科目を選んで履修することになります。

大抵は化学と物理か、化学と生物を履修することになるでしょう。

また高校での理科の特徴として、各科目が相互に密接に関わってくることがあります。

n0030_002_理科の相補性

生物は化学で説明され、化学は物理で説明され、物理は数学で説明され、地学はそれらすべてを応用して説明されていくのです。

この関係性が非常に面白い分野になります。

さて、理科についてはまずどの科目を履修するか決めなければなりません。

そのために、早めに志望大学や志望学部を決めておきましょう

最も良くないことは履修科目を選んだ後に志望大学を決めたが、選んだ科目では志望大学を受験できないということです。

そんな悲劇を起こさないためにも、早めに進路を決めた上で履修科目を選びましょう。

また、履修科目を早めに選ぶことは早期の理科の完成にもつながります。

特に現役生は浪人生と比較して準備の時間が少なくなりがちです。

早めに選択科目を決めておくことで早期の完成を目指し、演習に時間を使えるようにしていきましょう。

地歴公民:興味のある科目を軸にすることでモチベーションを保とう

※主に文系の方に向けての内容です

中学校で社会だった科目は、高校で世界史、日本史、地理、政治経済、倫理といった形で細分化していきます。

細分化したことで、より詳細な知識が広く問われていくことになります。

暗記科目として見られがちな地歴公民ですが、実際はそうではありません。

例えば「10~12世紀頃の西ヨーロッパ世界・イスラーム世界・中国における土地制度について、農民と土地の支配者および土地の支配者と政治権力の関係に注意して記しなさい」という問題が出されたとしましょう。

これは単なる知識だけではなく、土地制度がどのように政治権力に関わったのか、どういう影響を与えたのかを理解していないとこの問題を解くことはできません

また、こういった問題を限られた制限時間の中で解答することが、入試本番では求められます。

つまり膨大な情報を必要な知識を活かして理解し、制限時間内にまとめ、文章を構築する能力が求められるのです。

では地歴ではどのような戦略が必要なのでしょうか。

まず科目選択です。軸として世界史と日本史から選んでいきましょう

その際の基準ですが、興味のある科目を選ぶほうが良いです。

高校は3年間しかありませんが、一方で3年間というまとまった期間の間、学ぶモチベーションを保っていかなければいけません。

興味のある科目こそ学び続けることができ、記憶に残りやすいのです。

ぜひ興味をもった科目を選んでいきましょう。

まとめの3点

さて、最後に高校受験生の皆さんに大学受験に向けた学習戦略のまとめです。

勉強の量を確保しましょう
そのために効率よく学んでいき、時間を確保することが大切です。

高校受験で培った力を活かしていきましょう
基礎的な知識や読解力を鍛えられているので、応用していくことができます。

思考力、表現力を研鑽していきましょう
すべての科目において、単に答えるだけではなく、他者に伝わる答案を作っていくことが大切です。能動的な読書を行っていくことで、この力を伸ばしていきましょう。

高校受験生の特徴として、大学受験直前期のギリギリまで学力が伸びていくということがあります。

その伸びた先が志望大学の合格ラインに届くためには、高校1年生のうちからの基礎固めが大切です。

今のうちからコツコツと学び、現役合格を勝ち取っていきましょう。

Y-SAPIXでは現役生の皆さんの志望校合格に向けてしっかりサポートさせていただきます。

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