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2022年度 早稲田大学入試動向分析

難関大入試を突破するには、相応の学力とともに、入試情報を把握しておくことが重要になります。ここでは早稲田大学の2022年度入試の概要、2023年度入試などについて見ていきましょう。

早稲田大学は1882年「東京専門学校」として現在の地に大隈重信によって創設され、1902年、大学への昇格を機に現在の「早稲田大学」という名称になりました。その教旨として「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」の3つが掲げられています。
 
2012年11月には、創立150周年を迎える2032年に早稲田大学のあるべき姿(ビジョン)を思い描き、その実現に向けて13の核心戦略とそれを実現するための具体的なプロジェクトおよび数値目標を提示した「Waseda Vision 150」を策定し、「世界のWASEDA」の実現を目指しています。
 
「Waseda Vision 150」の13の核心戦略の中の「入試制度の抜本改革」では、学部ごとに積極的な入試改革に取り組んでいく姿勢を明確にしています。また数値目標の1つ、「50人以下の授業を85%、20人以下の授業を50%」は2018年度の段階で既に達成されており、学部学生数が4万人近い大規模校でありながら、近年では少人数クラスによる教育が推進されています。

2022年度一般選抜の状況


早稲田大学では、大学の試験場において試験を受ける必要がある入試を「一般選抜」と区分しています。そのため、早稲田大学の独自試験のみの方式に加え、英語4技能テストのスコアを利用する方式、共通テストを組み合わせる方式も「一般選抜」に含まれます。まずは、この「一般選抜」の状況から見ていきましょう。
 
2022年度の私大全体の志願者数はほぼ昨年度並みで、過去に例を見ない大幅な志願者減となった2021年度の反動増は、私大全体としては見られませんでした。一方、早稲田大学では昨年度は約9%志願者が減りましたが、今年度は約4%増とやや回復しています。学部ごとに見ると、昨年度は13学部中10学部で志願者が減りましたが、今年度減ったのは政治経済、国際教養、スポーツ科学部の3学部のみです。
 
上記3学部は、昨年度選抜方法を一般選抜で共通テストの受験を必須とする方式に変更し大幅に志願者が減少しましたが、とりわけ政治経済、国際教養学部は昨年度に続いての減少で実質倍率は3倍台前半となりました。スポーツ科学部も志願者は約17%増ではあったものの、合格者を増やしたことで実質倍率は昨年同様の2倍台にとどまり、競争率の上ではこの3学部が全13学部の中で低い順に1~3位を占める形となりました。
 
商学部の英語4技能テスト利用型は、導入初年度の昨年度は志願者250名で、実質倍率3.2倍にとどまりましたが、今年度は志願者899名と昨年比で約3.6倍に急増し、実質倍率も9.7倍と高い競争率を示しました。英語4技能テスト利用型を先行実施している文化構想、文学部では、導入2年目に志願者が急増した後も年々10%以上増えており、商学部においても同様の動きが予想されます。
 
13学部のうち、昨年度に続いて2年連続で志願者が増えたのは文化構想、文学部のみですが、その原動力は2017年度に開始した英語4技能テスト利用型です。今年度も大きく志願者が増え、文化構想学部は昨年比約16%増の3,004名、文学部は同じく約14%増の2,646名で年々増加の一途をたどっています。それに伴い文化構想学部では実質倍率も過去最高の7.8倍、文学部は合格者数を増やしたために7.7倍と昨年度よりやや下げたものの、高い水準を保っています。
 

一般選抜の合格者数では、正規合格者数、補欠発表数は昨年度を上回ったものの、補欠合格者数は675名減(昨年比約57%)と大幅に減少しました。学部単位では、社会科学部207名→38名、文化構想学部188名→0名、人間科学部191名→0名と、この3学部だけで548名補欠合格者が減っています。昨年度は補欠発表者のうち約44%の受験生が合格したのですが、今年度は約25%と大幅に合格率が下がりました。補欠発表者の合格率にはこうした上下が見られ、過去8年でも約3%~44%と年によって大きく異なっています。

2022年度共通テスト利用入試の状況


共通テスト利用入試では、共通テストのみ方式を実施する5学部のうち、スポーツ科学部以外の4学部は志願者が減少しています。2022年度は平均実質倍率が3.3倍と低下し、昨年まで3年連続で6倍台だった社会科学部も志願者減、合格者増で他学部並みの3倍台となるなど、落ち着いた入試となりました。なお、共通テスト利用入試では補欠者は出していません。

2023年度教育学部一般選抜改革について


2023年度の教育学部の一般選抜は大幅に変更されます。その概要は、

① 2022年度の2⽅式(⽂科系[A⽅式]、理科系[B⽅式])に加え、「共通テスト+一般[C方式]」および 「共通テスト+⼀般[D⽅式]」を新設
 
② 新設するC⽅式は、共通テスト5(6)教科7~8科⽬と、学科ごと(理学科は専修ごと)の個別試験を組み合わせたものとし、共通テストの得点による第1段階選抜を⾏い、その合格者のみが個別試験を受験できるものとする

③ ⼀部専修で新設するD⽅式は、共通テスト3教科5科⽬と個別試験を組み合わせたものとする
 
④ A~D⽅式は併願することができない。いずれも2⽉19⽇に試験を実施する

このほか、既存のA⽅式、B⽅式の選択科目にも一部変更があります。

① A方式で政治経済の選択が不可に
 
② B方式で生物、地学の選択が不可に

学科、専攻、専修によって方式がさまざまになりますので、志望者は必ずHP等で確認してください。


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