国公立大学医学部医学科  一般選抜の変更点
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国公立大学医学部医学科  一般選抜の変更点

2022年度国公立大学入試に関しては、7月31日までに各大学から入学者選抜の概要を示す選抜要項が発表され、昨年度からの変更点がおおむね判明しました。ここでは、国公立大学医学部医学科一般選抜の主な変更点のうち、「募集人員」「2段階選抜」「科目・配点」に焦点を当てて見ていきます。(以後「医学部」は「医学部医学科」を指します)

募集人員については、臨時定員増が
おおむね維持される見込み

 2022年度の医学部の募集人員は、2021年度の臨時定員増分がおおむね維持され、2021年度と同水準となる見込みです。なお、臨時定員増分に関しては各大学からの申請が承認されるまで確定ではないため、選抜要項上の発表内容にはばらつきも見られます。北海道大学などは、選抜要項では募集人員を大きく減らす記載になっていますが、増員申請を行う旨が併記されており、承認されれば昨年度並みの募集人員となります。東北大学のように増員申請の記載がない大学もありますが、いずれにしても12月15日までに発表される募集要項で今一度確認する必要があります。
 また、富山大学が後期を廃止することにより、後期実施大学は50校中17校となります。後期については千葉大学などで合計45名の募集人員減が予定されており、昨年度よりも一層の狭き門となる見込みです。
 なお、2023年度以降については、2010年度からの臨時定員増のうち一部を廃止し、地域の医師確保・診療科偏在対策に有用な範囲に限って、地域枠臨時定員として活用する案が検討されています。

全大学の前・後期日程で
2段階選抜実施へ

 名古屋大学前期で2段階選抜が予告されたことにより、2022年度は国公立大学医学部の全ての日程で2段階選抜が予告されることになりました。
 2段階選抜を行う場合の条件・基準は、

①募集人員に対する倍率で予告
②基準点で予告
③基準点+倍率で予告

の3パターンに分類されます。前期で最も多いのは①で、49校中41校を占めており、②、③はいずれも4校です。後期では①が17校中16校、②が1校とこちらもほぼ①が占めています。①の大学は、実施の有無や第1段階選抜通過に必要な得点が年度によって異なるため、出願には慎重にならざるを得ませんが、②の大学は、自己採点が正確であれば第1段階選抜通過の可否は明確となります。なお、2021年度前期は①の大学42校のうち、第1段階選抜での不合格者が0だったのが29校と7割程度を占める一方、2020年度に0だった愛媛大学で201名が不合格になるなど、年度や大学によって変動がありますので、注意が必要です。

前期日程は4校で科目・配点を変更


前期では横浜市立大学、岡山大学が共通テストと2次試験の配点比率をより2次重視に変更する一方で、岐阜大学は共通テストの配点が高くなり、2次重視が緩和されます。また宮崎大学は、2次試験で新たに理科2科目を課すことになります。後期では岐阜大学が前期と同様に2次重視の配点を緩和。また宮崎大学が理科を廃止して、より共通テスト重視の配点に変更となります。
 前期における共通テストと2次試験の配点比率については、2次重視が49校中31校、同じ比率が5校、共通テスト重視が13校と、2次重視の配点が主流となっています。旧帝大などの難関大は2次比率が高く、地方の大学は比較的低めというのがおおよその傾向となっています。
 ハイレベルとなる医学部入試では、共通テストでボーダーラインに届かず、2次での逆転を目指す受験生が少なくないため、2次比率が高い大学には志願者が多く集まりがちです。その結果、高倍率になって第1段階選抜ラインが高くなることもありますので、2次比率が高い大学を目指す場合でも、共通テストで高得点を取ることが合格へのアドバンテージとなります。なお、後期においては2次比率が低い大学が17校中13校と大半を占め、また、全体的に第1段階選抜通過ラインが高いため、前期以上に共通テストでの高得点が求められます。
 前期の2次科目に関しては、宮崎大学が新たに理科2科目を課すことにより、「英語、数学、理科2科目、面接」を課す大学が49校中41校を占め、「英、数、理1科目、面」が奈良県立医科大学1校、「英、数、面」は旭川医科大学など4校にとどまります。したがって、国公立医学部を目指す場合には、2次対策として英語、数学に加え理科2科目の準備をすることが望まれます。また、群馬大学など6校は入試科目として物理・化学が指定されており生物は選択できませんので、選択科目決定の際に留意が必要です。

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年々後期の募集人員は減少していますが、一方で総合型・学校推薦型選抜、地域枠は増加傾向にあります。ハイレベルな医学部入試に通用する学力をつけながら、自分に合った選抜方法を確認することも現在の医学部入試には必要です。総合型・学校推薦型選抜の出願時期は、9月から共通テスト後まで大学によってさまざまです。少しでも早く情報を収集し、準備を始めることが医学部合格への第一歩と言えるでしょう。


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この記事は2021年10月20日に刊行された『Y-SAPIX JOURNAL』2021年11・12月号に掲載された記事のWeb版です。
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