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リベラル書籍紹介

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このマガジンでは、Y-SAPIXのオリジナル授業「リベラル読解論述研究」で使用した書籍を紹介していきます。
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記事一覧

リベラル書籍紹介#24 『おもしろ古典教室』上野誠

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、中学1年生が12月期・冬期で使用した『おもしろ古典教室』です。 これは本書第一章のある節の小見出しです。やや奇をてらった表現に思えますが、読者の皆様はどのように感じるでしょうか。 もともと古典が好きでない方は「その通りだ」と共感するかもしれませんし、古典が好きな方はどう反論しようかと考えるかもしれません。 古典の価値を否定するこの言葉は、

リベラル書籍紹介#23 『噓つきアーニャの真っ赤な真実』米原 万里

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、高校生11月期で使用した『噓つきアーニャの真っ赤な真実』です。 〇書籍の概要本書は、著者が1960年代のプラハにあったソビエト学校で少女時代を過ごした時の体験を元に書かれたエッセイです。三つのエピソードが掲載されていますが、中でも表題となっている『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』は、ナショナリズムとアイデンティティについて深く考えさせられる内容

リベラル書籍紹介#22 『現代語訳 論語と算盤』渋沢 栄一 、守屋 淳訳

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、高校生10月期で使用した『現代語訳 論語と算盤』です。 渋沢栄一と『論語』 皆さんは「渋沢栄一」という人物をご存知でしょうか。簡単に紹介すると、渋沢は明治維新後の日本において500近い会社の設立に関わり、「日本資本主義の父」「実業界の父」としてノーベル平和賞の候補にもなった人物です。 鉄道、電力、ガス、銀行など、私達が日常生活で享受するイ

リベラル書籍紹介#21 『これを知らずに働けますか?』竹信 三恵子 

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、中学3年生9月期で使用した『これを知らずに働けますか?』です。 この書籍では、仕事選び、賃金、ワークライフバランスなどを考えたうえで、労働問題から自分の身を守るための基礎知識が解説されています。 「全国労働衛生週間」というものをご存じですか?毎年10月1日から7日まで、厚生労働省は「全国労働衛生週間」を実施しています。これは、労働者の職場環

リベラル書籍紹介#20『平和をつくる(『世界』岩波書店 1966年9月号)』小田実

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、高校生8月期・夏期で使用した『平和をつくる(『世界』岩波書店 1966年9月号)』です。 小田実は戦後を代表する評論家で、自らの戦争経験から「難死の思想」や「人民の安保」といった独自の思想を育ててきた知識人としても有名です。授業では、小田の平和観を丁寧に読み解きながら、小田の思想が、今私たちが生きる混沌とした国際社会の指針になりうるのか、論点

リベラル書籍紹介#19 古典の世界の「みやび」

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」において扱った内容について、担当する職員が紹介していきます。 今回は中学生7月期・古典の授業で扱った「みやび」というテーマについてお話ししていきます。 三大流星群の一つである「ペルセウス座流星群」をご存じでしょうか? 毎年8月中旬ごろに観測できる流星群ですが、国立天文台によると、今年は8月13日午前10時頃に流星群の活動が特に活発になる、極大を迎えると予想されています。特に13日の未明頃が流星を見やすい時間

リベラル書籍紹介#18 『「宿命」を生きる若者たちー格差と幸福をつなぐもの』土井 隆義

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、高校生6月期で使用した『「宿命」を生きる若者たちー格差と幸福をつなぐもの』です。 現代の若者たちに課せられた「宿命」とは 本書の題名で目を引くのは「宿命」という単語です。カギカッコがつけられ、強調されていることから、この書籍では宿命という言葉にスポットを当てていることがわかります。 まず、宿命という言葉の意味をあらためて確認してみましょう。宿

リベラル書籍紹介#17『旅に出ようー世界にはいろんな生き方があふれてる』

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、中学生4月期で使用した『旅に出ようー世界にはいろんな生き方があふれてる』です。 この本は、著者が5年間かけて世界中をめぐった旅の記録です。しかし、単に異国での風景や文化の紹介にとどまった書籍ではありません。 著者はこの旅で、さまざまな人と出会い、仲良くなり、深く語り合うことを一貫して積極的に行っていますが、その目的は「世界にはいろいろな生き

リベラル書籍紹介#16『なぜ人と人は支え合うのか -「障害」から考える-』

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、中学生3月期で使用した『なぜ人と人は支え合うのか -「障害」から考える-』です。 これは、本書のテーマを端的に示した一文です。 本書は「障害者と健常者の共生」について述べています。しかしながらこの書籍は、どうすれば障害者も快適に暮らせるか、障害者にやさしい世の中にするべき、というような「障害者は社会的な弱者である」という考えを最初から取り払

リベラル書籍紹介#15『その情報はどこから?-ネット時代の情報選別力-』

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、中学生3月期で使用した『その情報はどこから?-ネット時代の情報選別力-』です。 『その情報はどこから?-ネット時代の情報選別力-』猪谷千香 (ちくまプリマー新書、2019年) 本書は、通信機器やインターネットの普及が進んだ現代において、次から次に流れてくる情報にどう向き合うべきかを論じた書籍です。 私たちは、いつでも、どこでもインターネッ

リベラル書籍紹介#14『日本の近代とは何であったか-問題史的考察』三谷太一郎

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、高校生1月期で使用した『日本の近代とは何であったか-問題史的考察』です。 『日本の近代とは何であったか-問題史的考察』三谷太一郎 (岩波新書、2017) 大学入試の現代文には、近代論がよく出題されます。そのため、近代についての基本的な知識はしっかり持っておく必要があります。近代社会を理解するにあたって、以下の三つのことはしっかりと覚えておき

リベラル書籍紹介#13『古典を読んでみましょう』橋本治

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、冬期の中2で使用した『古典を読んでみましょう』です。 リベラル書籍紹介#13『古典を読んでみましょう』橋本治 (ちくまプリマー新書、2014) 古典の読みづらさをユニークに解説 「『古典』て、なんでしょう」――こう問われたら、どのように答えますか? 実はこれが本書の冒頭の章タイトルで、答えはその一行目に書かれて

リベラル書籍紹介#12『今昔物語集・ビギナーズクラシックス』

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、12月期の中3で使用した『今昔物語集・ビギナーズクラシックス』です。 『今昔物語集・ビギナーズクラシックス』 (角川ソフィア文庫、2002年) 『今昔物語集』について、学校や受験勉強で身につける「知識」にはどのようなものがありますか。 「説話集…。平安時代末期の成立…。作者未詳…。全話『今ハ昔』の書き出し…」このあたりでしょうか。 しかし、

リベラル書籍紹介#11『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子

この連載ではY-SAPIXのオリジナル科目「リベラル読解論述研究」で使用した書籍について、担当する職員が紹介していきます。 今回は、10月期の中3で使用した『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』です。 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子 (新潮文庫、2016) 本書の目次は以下の通りです。 序章 日本近現代史を考える 1章 日清戦争 2章 日露戦争 3章 第一次世界大戦 4章 満州事変と日中戦争 5章 太平洋戦争 本書は、東京大学文学部教授加藤陽子による